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March、2004  e-Bizベンチャーニュース

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ヤフーがQ&A型ナレッジビジネスに参入!?検索ビジネスの新たな武器に
[業界動向] ⇔(ニュースカテゴリ)

 

 検索ポータルサイトのヤフー株式会社(本社:東京都港区、代表:井上雅博、以下、ヤフー)が、人々の知識や情報を互いに交換しあうQ&A型ナレッジビジネスに乗り出す構えだ。

 同社のウェブサイト「Yahoo! JAPAN」で、意味不明のキーワードを入力して検索してみれば一目瞭然。検索結果で一致するページがなければ「知りたいことはなんですか?」というリンクが表示され、「・・・皆さまの間でお互いに知識や情報を交換しあえるサービスを近々新たに提供開始する予定です。そこで、サービス開始に先立ち、皆さまから疑問・質問を募集します・・・」というコーナーが設置されていることですぐに推測がつく。「時期がくれば発表する」とはヤフー広報のコメント。今のところスタート時期や具体的な内容などについては一切公表されていない。

 既に同様のサービスを手がけるベンチャー各社の反応は、どこも「脅威だが歓迎」で一致している。Q&A型ナレッジビジネスという点だけに目を注ぐと、市場としてはまだまだ発展途上。しかし、圧倒的な集客力、ブランド力を誇るヤフーが参入となると、それが及ぼす影響は計り知れない。

 「ヤフーが本格的に参入となれば正直脅威ですね」とは、Q&A型ナレッジコミュニティ「OKWeb」を運営する株式会社オーケイウェブ(本社:東京都渋谷区、代表:兼元謙任)の取締役副社長福田氏。だが、「ようやくこの分野のマーケットが育ってきた証でもある」と前向きに捉えている。同社は1999年にサービスを開始し、「OKWeb」をベースにコミュニティー運営のノウハウ提供や企業向けのシステム開発、コンサルティングサービスなどを幅広く展開。検索ポータルサイト「goo」の「教えて!goo」にシステムのOEM提供をしていることでも知られている。


NHNJpan(戦略企画室  左:中嶋光さん 右:猪又真樹さん)

 NHN Japan 株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:千良鉉)経営戦略室中嶋氏も「ユーザーの選択枠が広がることは良いこと」と前向きの見解。2004年1月、同社は総合検索サービス「NAVER」内で知識共有コミュニティ「知識plus」を正式にスタートしたばかり。総合検索「NAVER」をさまざまな検索の入り口にし、より精度の高い情報にたどり着ける仕組みとして「知識plus」が用意された。注目すべき点は、この「知識plus」のコミュニティー内で、ユーザー同士が互いの質問に答えあい、増殖していく情報(知識)がすべて同社の知識データーベースに格納されて行き、ユーザーが求める情報の質や検索の精度が日々向上していく仕組みにある。従来の検索にナレッジを融合させた次世代の検索ポータルを目指しており、ヤフーが描くもっとも近い形がここにあるかもしれない。同社は2003年10月1日に総合検索サイトのネイバージャパン株式会社とオンラインゲーム事業のハンゲームジャパン株式会社の合併によって設立された会社。この合併で、これまで両社が保有していたユーザーIDの連携が図られており、双方のコミュニティー間で生じるシナジーが競合優位性のひとつでもある。


はてな近藤社長

 人力検索サイト「はてな」を運営する株式会社はてな(本社:京都市下京区、代表:近藤淳也)の近藤社長は、「ヤフーのディレクトリー登録を担当している各カテゴリのエキスパート達が直接答えてくれるのかもしれませんね」と話し、「ヤフーのサービスの全貌は分からないが、当社は“無料”で専門家が答えるタイプのサービスとは基本的に毛色が違う」と、ヤフーや他社サービスと自社の差別化要因をあげた。「はてな」とは、知りたいホームページのURLなど、知りたい情報を自分に代わって調べてくれるサービス。最大の武器は、すべて有料化されているところ。会員登録は無料なのだが、質問するにはポイントを購入する必要がある。会員数は約8万3000人で、毎日60件以上の質問が投げ込まれ、その回答数は約330件にも及ぶという。

 またヤフーといえば、2002年10月に発表した“インターネットにおける共同ビジネスの開発”というリクルートとの包括的な提携が大きな話題を呼んだ。リクルートの子会社である株式会社リクルート・アバウトドットコム・ジャパン(本社:東京都渋谷区、代表:江幡哲也)の「All About Japan」との関連性が非常に気になる。


AllAboutJapan江幡社長

 これに対して、代表取締役社長兼CEOの江幡氏は「ヤフーとは一切関係がない」ことを明確にした上で「ヤフーの件は、大歓迎です。ただ、当社はQ&Aエンジンをメインにしている事業ではなく、専門家が作成した記事やお薦めリンク集で、ユーザをナビゲートする形態をとっています。我々はメディアですので、編集を加えることが前提です」と、現時点では、ヤフーをはじめとする他社とは一線を画していることを強調。一方で「オール・アバウト・ジャパンとして、将来的に専門家を活用したQ&A事業に対応する可能性はあります。既に、各分野のガイドには直接質問ができるようになっていますし、今やっていることを突き詰めていけば、自然にそうなると思っています」と今後の見通しを明らかにし、「まずは、質問に対して答える優良な一次回答者を集めることが重要」と指摘。「ブログをはじめ、個人がメディアを持つ時代と言われていますが、まだ時期が早いのではないかと考えています。インターネット上では、受け手も出す側もまだまだメディアリテラシーが高いと言えません。メディアは情報における信頼性、ブランドが大切。それが我々のポリシーでもあります。」と語った。

 競合する相手がヤフーというのは、どの企業にとっても脅威であるに違いない。しかし、それがマーケット拡大に繋がり結果的に好循環が生まれるのであれば、逆に自分たちにとってもプラス材料となる。競合する各社がともに持っている共通認識としては、基本的なビジネスモデルやテクノロジー、サービスの切り口、得意領域が違うなど、それぞれ十分に住み分けができると考えており、むしろ、ヤフー参入に伴う話題性、影響力が逆にマーケット拡大の一助になると前向きに捉えている。

 逆にユーザーサイドの声はどうか。対ヤフーという物差しではかると、集客力の強さから、ヤフー圧倒的有利という声が出ているのは否めない。ただ、コンセプト、切り口の斬新さ、使い勝手の良さ、インターフェースなど、これまでの馴染み深い各々のサイトで今後も利用していきたい、という声も非常に多い。

 今、検索ビジネスは世界的にも改めて注目されている。第二のグーグルを目指すべく、新たなベンチャーが続々と登場。数年後には、グーグル、ヤフー、マイクロソフトという検索ポータルの図式はまったく異なるものになっているかもしれないからだ。検索ビジネスにおける巻き返し策のひとつだとも考えられるヤフーの新サービスの全貌に、注目したい。


Yahoo! JAPAN/ヤフー株式会社
http://www.yahoo.co.jp/

OKWebコミュニティ
http://okweb.jp/

知識plus
http://plus.naver.co.jp/

はてな/株式会社はてな
http://www.hatena.ne.jp/

All About Japan
http://allabout.co.jp/

株式会社オーケイウェブ
http://www.okweb.co.jp/

NHN Japan 株式会社
http://www.nhncorp.jp

株式会社リクルート・アバウトドットコム・ジャパン
http://recruit.about.co.jp/

 
【金城ヒロミ】
 


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