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ライブドア事件後 - 「より自分の為に生きようとは思った」
2006年4月27日の保釈から約 2年5ヶ月。
「暇してます。暇なんだけど、変なことで忙しくしたくはない」
相変わらずの堀江節は健在だ。 リバウンドしたと言われる体型は、以前と比べて太ったというより“がっちり”したという印象。最近は海やゴルフなどに出かけることが多く、肌はすっかり小麦色。外出時は、目立たないよう、ニット帽に眼鏡をかける。
「海はいろんなとこに行ってますよ。でも(人の多い)江ノ島とかにはいかないです。無人島とか。船とかに乗ったらわかんないじゃないですか」
時代の寵児と呼ばれたライブドア元代表取締役社長堀江貴文氏。ライブドア事件以降、彼を取り巻く環境は、180度変わったが、自身については「基本的な部分はあんまり変わっていない」と話す。ただ、「より自分の為に生きようとは思った。他人の期待は背負いたくない。背負いがちだけど・・・」と、付け加えた。
インターネットビジネス - 「ぼくはブログでいいや」
「インターネットの世界で画期的なことがあまり思いつかない」と話す堀江氏。もうインターネットビジネスには、あまり興味が無い様子。また、ライブドアにいた時と比べ、今のインターネット業界は、大した変化もなければ、目新しいものがないと嘆く。
注目している企業やサービスについても「ないですね」とバッサリ。
「Google のストリートビューにしても別に新しくはないですよね。(ライブドア時代に)ライブドアでもやろうかということを言ってましたから。ブラウザーとかもやってたかもしれないですね」
今話題のブラウザー「Google Chrome」は、試用済み。
「プラグイン周りがまだ弱いけど、よく利用するWebサイトのサムネイルが出るのは便利ですよね。でも、だからどうしたという感じ」
さらに、「楽天とか、ここ 3年くらいで何か成長してるんですか?(楽天とTBS問題についても)どうでもいいやという感じですね」
今は、再びインターネットの世界で事業を起こすことはまったく考えておらず、こう呟いた。
「ぼくはブログでいいや」
ライブドア - 「企業価値をあげてほしいよ」
ライブドア事件以降、経営陣を一新。新体制となったライブドアは、これまでM&A等を繰り返して拡大してきた様々な事業・サービスを次々に売却していった。
「(上場廃止などで)今後の拡大ができない状態だったんで、それはそれでいいんじゃないかと思うけど、(売却を)そんなに急がなくても良かったんじゃない。逆にそういう経営陣を選んじゃったということなんだけど」
そしてさらに、こう続ける。
「企業価値をあげてほしいよ。お前のせいだと言われるけど、もういいんじゃないの。守りながら攻めるのが大事。ぜんぜん攻めてないですよね。ナーバスになりすぎ。そろそろ攻めていいんじゃないの?」
ライブドアの再上場については、「(イギリスAIMなどの)海外市場ならありなんじゃないか」と、自身の見解を示す一方、現在も保有する“ライブドア株を手放す考えは?”との問いに対しては、
「今のところはない。(将来的に?)それはわからない」
宇宙事業(1)「ロケットを飛ばすのが目的なんで」
「前からやってたロケットエンジンの開発とか、ちょこちょこやってるんですけど、そんな忙しくしてるわけじゃない」
現在、堀江氏はロケットを作っている。エンジン開発にも自ら直接関わっている。そして、有人ロケットを本気で打ち上げることを考えている。
ロケット開発は、自身の資産管理会社のような会社を介してやっているそうなのだが、専任スタッフを雇っているわけではない。関わっている仲間について「(詳細は)今は言えない」とするも、ロケット開発の経験を持つ人はいない。「もともと日本にロケット開発の経験がある人はほとんどいないんで」と、経験など関係ないと意に介さない。また、ライブドアの時のようにIPOをしてどうこうという考えもない。
「ロケットを飛ばすのが目的なんで」
以前、ライブドア時代の堀江氏が、ロシア製のカプセル型宇宙船を使用し宇宙旅行ビジネスの事業化を目指したことで話題になった堀江氏の個人プロジェクト「ジャパン・スペース・ドリーム」とは、まったく別物だという。
宇宙事業に対する夢はライブドアを創業するずっと以前から。当時は、どうすればいいのかわからなかった。でも今は違う。知識、情報もあるし人脈もある。そして、その情熱は、ライブドア創業のきっかけとなったインターネットと出会った当時の気持ちとシンクロする。
「できればそこだけをやっていきたい」
宇宙事業(2)「これをやっている時が一番面白い」
堀江氏が作っているロケットは、燃料にアルコールを使う液体燃料ロケット。
「日本のエンジンは、ほとんど液体水素を燃料にしたエンジン。液体水素は、扱いづらいのと製造コストがかかる」
世界のロケットの父と呼ばれるヴェルナー・フォン・ブラウン(ドイツ出身)が、当時、燃料にアルコールを使っていたことを例にとり、「そう言うエンジンを作った人は日本にいないんで」と、一からロケット開発をおこなったフォン・ブラウンと自身のロケット開発をダブらせる。
「昔、彼らが失敗したことは、データベースになっている。それを今のハイテクで蘇らせる」と力を込める。
「仕組み的には古いことをやっているんですけど、使ってる機材とかは、ハイテクですよ」とし、開発コストについても「技術が進歩した分、今は昔と比べれば、飛躍的にコストは掛からなくなっている」と話す。
エンジンなどの製作加工は、フリーのCADソフトなどを使って図面をおこし、町工場の工作機械等で製作加工する。
「NCネットワーク、めちゃくちゃ便利ですよ」
NCネットワークとは、日本の中小企業製造業をネットワーク化したインターネットサービスで、高い加工技術をもつ日本全国の町工場を検索できる。理化学系の実験機材などの調達もインターネットをフル活用している。
「これをやっている時が一番面白い」
宇宙事業(3)「そういう探検、フロンティアみたい考え方がベースにある」
「人口衛星みたいな小型なものは早めにできるかもしれない。今より、性能の良いものを打ち上げられる」 と自信を見せる堀江氏。超小型衛星の市場は非常に大きいとし、将来、ビックビジネスになると確信する。
「第一宇宙速度 7.9 km/s。第二宇宙速度 11.2 km/s。第三宇宙速度 16.7 km/s。これで太陽系の外に出られる・・・・・」ロケットの話になると止まらない。
ロシアで邦人初となる宇宙旅行を目指したことで話題になったライブドア元取締役の榎本氏とは、ライブドア時代に宇宙に関して特に話をしていたわけではなかったとし、「(車で言うと)彼は F1レーサーになりたかった。僕は車を開発したい」
ロケットが完成するまでにどれくらいの日数がかかるのか、今は本人にもわからない。ただ、単に宇宙への憧れというだけでなく、誰もやったことのないことに挑む感覚は、ライブドア時代と同じ。
「他の恒星系とか銀河に行きたいわけじゃないですか。そしたらそこに人間みたいな生命体がいたら面白いよね、みたいな。そういう探検、フロンティアみたいな考え方がベースにあるんですよ」
「それは僕にとっては“ただの仕事”ですよ」
2008年7月、東京高裁の控訴審は、1審の懲役 2年6ヶ月の実刑判決を支持。即日上告した。 今は裁判中で発言や行動には制限がある。
「変な噂が立つのが嫌」
2008年8月7日に再開した自身のブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」では、自らの近況等を発信していく一方、あることないこと掻き立てるマスコミ等への牽制の意味もある。
選挙への出馬ついては、「今は無い」と将来に含みを持たせた。
最後に、業界ではたびたび耳にするワードだが、友人の株式会社サイバーエージェント 代表取締役社長 藤田晋氏から正式にCTO就任のオファーがあった場合の可能性について尋ねてみた。
「(お給料とか)条件次第ですよ。でも、それは僕にとっては“ただの仕事”ですよ」

取材日:2008/09/12
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