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変化するアドネットワーク市場。これからの広告代理店に求められること
October 29 , 2010 20:02
Akinori Takamura   |
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 アドネットワークについて考察していきたい。技術的な側面、またはメディアから見た場合の側面については既に別のコラムで連載があるため、今回は広告主側と代理店側から考えてみたいと思う。


アドネットワーク市場

 アドネットワークとは複数のメディアの広告枠を束ねて広告在庫を用意し、広告主から預かった広告予算を最適な広告枠へ配信する事業者である。

 シードプランニングの調査によれば 2010年のアドネットワークの市場規模は 699億円、2013年には 1,000億円を突破して 1,070億円になる見通しである。


 メディアから見ると様々な広告枠をうまくマネタイズできるというメリットがある。広告主企業から見ても複数のメディアに掲載されるので、ひとつの媒体以上のリーチの大きさで広告を配信できるというメリットがある。

 アドネットワーク各社が複数の媒体の枠を束ねて販売しているので、各アドネットワークがどういったカテゴリの媒体の広告枠を配信先としているかによってもメディアプランニングに差が生じる。

 最近ではそういったアドネットワーク内でターゲティングもできるようになっている。


行動ターゲティング

 アドネットワーク上で行動ターゲティングへの取り組みが進んできている。行動ターゲティングとは、広告枠単位ではなく閲覧者単位で広告を配信していく手法である。

 一例として、リターゲティング広告がある。リターゲティング広告とは、広告主企業のサイトを訪れたことのあるユーザーに対して再度広告を配信するソリューションである。

 一度サイトを訪れアクションしたユーザー、またはサイトへ訪れたがアクションしなかったユーザー、各々に対して配信内容を変えることもできる。

 例えば、ECサイトを運営している企業を例にすると、キャンペーンのページを訪問したが、購買にまで至らなかったユーザーに対して、アドネットワーク内の別のメディアを訪れた際に「セール期間は今月の末まで」といった、先程のキャンペーンについて想起させる広告を出すことも可能である。
 
 リターゲティング広告の場合、広告枠を起点とした配信よりも、ユーザーの趣向を考慮した配信が可能になるため、広告インプレッションは通常のアドネットワークに配信する広告頻度よりも少なくなるが、クリック率・コンバージョンレートは通常よりも高くなることが多い。

 他の行動ターゲティングで利用されている情報は、その他にも購買履歴や閲覧データなど多岐に渡る。


オーディエンスデータの変化

 アドネットワーク市場は今、変化を迎える時期に来ているように思う。アドネットワークを生かした事業をするプレイヤーの急増や、それぞれアドネットワークが提供するサービスが細分化されるといった変化もあるが、ここではオーディエンスデータに注目してみたい。

 この変化にはデータエクスチェンジと呼ばれる市場を扱うプレイヤーが出てきたことに起因している。

 データエクスチェンジ市場とは、行動履歴の利用を仲介するマーケットのことである。簡単にいえば、今までアドネットワークAは自社内のユーザーデータを元にして行動ターゲティングを行っていたが、アドエクスチェンジ市場を利用することでアドネットワークBのデータも利用できるようになる。

 さらにいえば、広告配信を行っていないがデータを持っている企業のデータも利用することも可能になる。クレジットカードやアクセス解析といったデータも理論上は利用することが可能である。

 今まではオンラインメディア、自社サイトでの行動を元にしてターゲティングを行っていたが、オフラインの行動データも含めて利用できるようになる可能性があるかもしれない。


今後の展望

 こうした変化を加味して、これからの広告代理店に求められることも変わってくるだろう。あくまで仮説だが、配信枠の選定が様々なオーディエンスデータを取り込んで精度が高くなっていくため、代理店が出すクリエイティブや仮説構築のクオリティに求められるレベルは上がると考えている。

 既存のデータやナレッジから広告主企業の商品やサービスをどういった人達が使うかという仮説を構築し、実行する。それに加えて、その仮説が正しかったのか?という検証の継続が今以上に重要になると考えられる。

 クリエイティブもそれに関連して、どのような行動を取っているユーザーにどういうメッセージを伝えるか?という設計が可能になる。より文脈を考慮したクリエイティブが求められるかもしれない。

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