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位置ゲーからみるもう一つのソーシャル性
April 27 , 2010 10:32
Ikuo Ogawa   |
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 近年、「モバゲー」や「mixi」などのソーシャルゲームが注目されている。前回紹介した“位置ゲー”の代表格である「コロプラ」にもソーシャル性が採用されている。しかし、そこには大きな違いがある。その違いについて考えるためにまずは、コロプラにおけるソーシャル性からみていく。


「位置ゲーにおけるソーシャル性のキモ」

コロプラを始めるとすぐに体験することが、「コロニー」を育てていく上での水や空気などの資源の不足だ。最初の頃は「プラ」と呼ばれるゲーム内通貨の手持ちも少ないため、なかなか資源が増やせない。資源が増えないと住民がなかなか増えず、枯渇すると住民が減っていってしまう。それをサポートする機能として、資源の寄付の仕組みがある。これが位置ゲーにおけるソーシャル性のキモともいえる。

資源の寄付は、ユーザが位置登録した物理的なエリアと同じエリアにいるコロニーによって行われる。つまり、ユーザは位置登録を行うため、「近隣」という地理的な概念がゲームの中に取り込まれている。ゲーム内で近隣のコロニーにアクセスすることができ、自分のコロニーで余った資源の寄付や短いメッセージのやり取りができる。これによりリソースを寄付してもらった際に、そのコロニーにお礼を言うということが可能だ。さらに、近隣のコロニーがフリマ的にアイテムを売っていたり、地域ごとに手に入れられるおみやげをプレゼントしたりということができる。なお、コロニーは原則として番号で示されるため、ここでのやり取りは匿名性が著しく高い。コロプラとは別ルートでコロニー番号とユーザを結びつけない限り、誰がコロニーの所有者なのかは、ほぼ分からないようになっている。一方で、コロニーにはニックネームをつけることができるため、番号を覚えなくても、コロニーの特定は容易になっている。


「コロプラはソーシャルグラフを前提としていない」

ざっくりコロプラのソーシャル性に関連する仕組みを記述したが、さて、このソーシャル性の特徴は何だろう?

その前に、モバゲーやmixiのソーシャルゲームの仕組みを見てみよう。モバゲーやmixiが提供しているAPIは、「Open Social」という「Google」の開発したAPI標準に準拠している。OpenSocialの核となるのが、ソーシャルグラフへのアクセスだ。ソーシャルグラフはSNSで言えば、ユーザ同士のつながりを示す相関図のこと。SNSでは、ユーザ同士が「友達」や「マイミク」という形で関係性を構築していくことが大前提になるため、その関係性をたどって行くためのAPI標準をOpenSocialは提供している。つまり、SNSがソーシャルアプリのプラットフォームとなりえるのは、膨大なソーシャルグラフを保有しているからであり、そのソーシャルグラフがソーシャルアプリ開発にとっては大きな魅力であり、同等なプラットフォームを構築しようとする場合にはクリティカルな参入障壁となる。

もうお気づきだろうか。コロプラのソーシャル性は、このソーシャルグラフを前提としていないのである。コロプラが前提としているのは、位置登録というアクションを通して同じエリアにいるという場の共有による関係性である。これは、偶然性にもとづいている。そこから、資源の寄付やアイテムの売買、メッセージのやりとりが自然発生的に生じる。言ってみれば、バザール的なソーシャル性をベースとしているのである。一方で、ソーシャルグラフを前提としたSNSは、コミュニティ的なソーシャル性と言うことができる。


「“バザール的”ソーシャル性をうまく活用していくかが重要」

もちろん、この区別は概念的だ。コロプラにもリンクコロニーや招待制という形で、コミュニティ的なソーシャル性を利用した機能もある。また、SNS上のソーシャルゲームでも、場(物理的な位置)の共有ではないにしても、ゲーム内のステータスや行動様式で偶然的にユーザを結びつけるようなバザール的なソーシャル性を利用した機能の提供も十分考えられる。

とはいえ、この区別はソーシャルゲームやソーシャルアプリを企画する上で有効な区別になりうる。特にスマートフォンなどのモバイル機器の高度化により、携帯性がますます高まっていくとコミュニティ前提だけではなく、いかにバザール的なソーシャル性をうまく活用していくかが、よりイノベーティブなソーシャルゲーム/アプリを企画・構築していく上での重要なポイントになるだろう。

インターネットビジネスの種 by Ikuo Ogawa
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