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今年に入り、日本企業の Facebook活用は急速に拡がっている。アジャイルメディア・ネットワーク社の調査データによると、トップ50企業におけるFacebookの利用率は、2011年2月の24%から2011年9月には84%と、3.5倍に伸びたという。

筆者のところにも「Facebookページでファンを集めて・・・その後、どうするの?」という問合せが増えてきた。これまでと違うのは、「とりあえず導入する」という段階から具体的かつ積極的な活用方法や費用対効果へと企業の意識が高まってきたところだろう。
Facebookページの具体的な活用方法には「商品/サービス企画」、「用途開発」、「ソーシャル・コマース」等がある。
今回は Facebookを活用したファン参加型商品企画の可能性と具体的方法について、実際に筆者が進めているプロジェクトを事例に検討したい。
Facebookアプリ「Like or Not?」で、ファンの「ほしい!」を商品化!
Facebookページ「SoftBank SELECTIONとスマホアクセをつくろう♪」をご覧いただきたい。こちらはソフトバンクBBの特別協賛により、筆者の会社で運営しているページだ。目的はファン参加型の商品企画コミュニティをつくることである。

Facebookページ「SoftBank SELECTIONとスマホアクセをつくろう♪」
http://facebook.com/SBS.ageha
現在、第一弾の商品化を検討するにあたり、Facebookアプリ「Like or Not?」を使ってユーザーの「ほしい!」の声を募集している。
「Like or Not?」は企画中の新商品を6つの訴求ポイントでビジュアルに表現し、Facebookユーザーに「ほしい!」か「おしい!」で回答してもらうアプリである。「ほしい!」か「おしい!」のボタンを押す度にサクサクと質問画面が切り替わる。雑誌をめくるような感覚で楽しく答えることができるのが特徴だ。
具体的にどういうことができるか、見てみよう

自分の回答とセットで、ファッション誌のスクラップのようなかわいい「アルバム」を Facebook上にシェアできる。同時に商品化された商品のプレゼントへ応募することもできる。

管理者は、ユーザーがFacebookに登録している性別・年齢等の基本属性別に回答を集計。商品の訴求ポイントがどのセグメントにどのように評価されているかを把握することができる。

Facebookアプリ「Like or Not?」
https://www.facebook.com/SBS.ageha?sk=app_176013149159496
今回使った「Like or Not?」のように Facebookアプリをプロジェクトの要所で活用することでは、より高い効果を狙うことができる。
もともと Facebookページに備わっている「クエスチョン」では、コンセプト立案段階のニーズ調査には役立つが、画像を使えないため具体的なデザインの検討には向いていない。
また、ウォールに投稿した記事はどんどん流れていってしまうが、Facebookページの「オリジナルタブ」として、アプリのページを用意しておけば、Facebook広告や外部リンク等から優先的に集客を図ることができる。
Facebook広告では、新規ユーザーだけでなく、既存のファンを対象に打つことも出来、日予算や入札価格の設定によって、誘導数をコントロールしやすい。
「リアル」と連携した、コンセプト・メイキング
今回の事例において、企画の初期段階では独自のユーザーグループ「ソーシャル・ガールズ」達を集め、Face to Faceの「ガールズ・ミーティング」を行った。
前述した「Like or Not?」を用いた新商品の具体的なデザイン/仕様検討という作業は、企画の最終段階だったが、重要なのはそれまでの段階、特にコンセプト・メイキングまでの段階だ。
感度の高いユーザーと深い対話を重ね、多くのユーザーの共感や関心を得られるよう、新商品案を企画することが大切である。

ガールズ・ミーティングでは既存のスマホアクセサリーを並べ、実際に買い物をするつもりで選んでもらう「ショッピング・ワークショップ」と、「ユーススタイル・ヒアリング」をおこなった。ターゲット・ユーザーの購買判断基準や不満・課題、ユーザー目線の要望等を中心に深く掘り下げていった。
その様子は「顔が見える」形でFacebookページに投稿し、個々のTOPICに対する共感度を測った。

Facebookページ運用の視点からも、「コア」となる存在がいること、「顔が見える」投稿、リアルイベントは、いずれも非常に相性が良い。今回のケースでも「ガールズ・ミーティング」と紐づけた投稿は、他の種類の投稿に比べて反応率が高い傾向にあった。

このようにリアルとFacebookを連携させながら、ユーザーニーズへの「洞察」と「共感」を深めていくと、
・問題解決型コンセプト
・新スタイル提案型コンセプト
を生み出しやすい。
例えば、今回のプロジェクトでは以下のような声に支持が集まった。
「スマホケースは、同じような素材のものばかりでパターン化していて、選ぶ楽しさがない」
「iPhone以外のスマホでは、ケースの選択肢が少なすぎる」
「シンプルなケースの上から、デコるのが楽しい!」
そして企画したのが「お洋服や季節に合わせてコーディネートできる、お洋服素材のスマホアクセサリー」というコンセプト。機種に依存せず、iPhone以外のスマートフォンでも使えて、シンプルケースの上から部分的にデコれるような特殊シールを使った仕様を採用している。
このプロジェクトでは、12月中旬まで「Like or Not?」でユーザーの声を集い、その結果を踏まえて商品化やデザイン/仕様を検討していく。新商品は来春発売予定である。
ファン参加型商品企画の意義
そもそも、ファン参加型商品企画の意義は、どこにあるのだろうか?
筆者は、「“ユーザー目線”のユニークでインパクトのある商品コンセプトを生み出しやすい」ことが1番のメリットだと考えている。新商品を開発する際、メーカーが「既知のニーズに沿った“使い勝手の向上”」を図る傾向にあるのに対し、ユーザーは「新しい機能、新しい使い方を編み出す」傾向にあるからだ。

よく、ほとんど企画を固めた後で“便宜上”ユーザーの声を集い、「ユーザーと一緒に企画した商品」としてプロモーション展開をする事例を見かける。しかし、それでは「ユーザー目線のユニークなコンセプト・メイキング」という1番のメリットを享受できていないのではないだろうか。重要なのは表面的な意味ではなく、コンセプト立案の前段階からユーザーと一緒に商品企画をおこなっていくことだ。
ユーザー目線の発想は、概して、メーカーの生産背景やコスト等の事情を考慮していないことが多い。具体的な仕様に落とし込む上での調整は難しいが、その“仕組み”さえ用意できれば大きな力となる。
今回紹介させていただいた「SoftBank SELECTIONとスマホアクセをつくろう♪」では、未だ成功事例の乏しい「ユーザー参加型商品企画」の基盤づくりを目指し、挑戦を続けている。

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