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19日(現地時間)、LinkedIn が米ニューヨーク証券取引所に上場を果たした。インターネット企業では、米 Google(2004年8月)以来の大型IPO(新規株式公開)として、また、米大手ソーシャルメディア企業初の株式公開として、投資家からは大きな注目を集めている。

LinkedInは世界で1億人以上が登録するSNSである。2011年1月時点で「2010 Fortune 500」にランクされている企業の経営幹部の1人以上がLinkedInに登録している。また、LinkedIn上に「企業ページ」を持つ企業は200万社を超えるという。
5月25日にはデジタルガレージとの提携を正式に決め、年内までに日本語化をローンチさせると発表した。
デジタルガレージ共同創業者の伊藤穰一氏は「日本にはさまざまなソーシャルネットワークサービスがあるが、LinkedInのようなプロフェッショナル向けのものは皆無に等しい」とコメントしている。
では、そもそも LinkedInとはどんなサービスなのだろうか。どういった特徴を持ち、なせ注目を浴びているのか。これらについて、筆者なりの見解を含め以下にまとめてみたい。
1.プロフェッショナルをつなぐネットワーキングサービス
LinkedInとは、ビジネスに特化したSNS=「プロフェッショナルネットワーク」と呼ばれていて、「ビジネス上でのつながり」を通じてコミュニケーションをとるためのプラットフォームである。
FacebookとLinkedInは何が違うのか。Facebookが家族、親戚、友達といった非常に濃いつながりである一方、LinkedInは非常に交流範囲が広いといえる。
具体的には、Facebookが基本的に知り合いベースで友達承認していくものであり、日常の非常にプライベートな投稿も多い。そのため、あまり知らない人を友達として承認したがらないという特性を持つ。
これに対してLinkedInは、「名刺交換レベルのつながり」というイメージを持つとわかりやすいだろう。
例えば海外では、LinkedIn経由でのアポイントメントを獲得したりといった使い方がななされている。アポイントを取る前に LinkedIn上で友達申請をしておくことで、その人の経歴や職務等を事前にチェックしたりする。
また、FacebookとLinkedInのサービスには利用ユーザーの年齢層に大きな違いがある。

LinkedInは、0歳から 24歳までのユーザーが圧倒的に少ない。しかし、それ以外のユーザー数ではFacebokを抜いている。これを見るとその用途の違いも明確なのがわかる。
最後にオマケ的な資料だが、給与の平均もソーシャルメディアによって違いがあったので以下に紹介しておく。

2.ハンティング会社の採用ツール
海外では、LinkedInを使った様々な採用手法がある。今回は日本にはまだない「ネットワーク」が可視化されることを利用した特徴的な採用手法を紹介したい。
LinkedInは“ビジネス上でのつながり”という話をした。ユーザーはLinkedInでつながっている数をネットワーク数として公開することができる。このネットワーク数というのは名刺交換の数=「人脈の数」と思われることが多い。

そして、このネットワーク数の量や実際につながっている人材の質をチェックし、ハンティング材料として使ったりするのだ。
具体的には、以下のようになっている。どんな人とどの段階で知り合いなのかといったところも評価される。
<1st degree>:直接知っている、つながりのある人
<2nd degree>:1st degreeの知り合い、関係のある人
<3rd degree>:2nd degreeの知り合い、関係のある人

即戦力を求める中途採用という時にネットワークというものは非常に重要な判断材料だろう。それが可視化され、どういう構成を持っているのかは採用において役立つものになる。
3.Facebookに勝るニュースやグループ機能
LinkedInというのは、日本では転職をはじめ Job Hunting に使われるSNSという認識が非常に強い気がしている。
しかし、そもそもソーシャルメディアで採用活動をするメリットは、「潜在顧客へのアプローチ」というのが非常に大きな要素だ。LinkedIn側も、ビジネスネットワークorプロフェッショナルネットワークといった呼び方をしている。つまり、Job Hunting 以外にもここに集まってくる要因があり、そのひとつがニュース機能「LinkedIn Today」である。

自分の友人が見ていたり、趣味や経歴等の近い人間が登録しているニュースが順番に出てくる。これぞソーシャルリーディング機能の最適版といえるのではないだろうか。
そしてもうひとつ、グループ機能というのがある。

例えば開発関連のグループをみてみよう。そこではそれぞれの開発担当者が自分の書いたコードを見せて解説し合ったりしている。普段のビジネス的な商談や相談にも利用されているのだが、そこにハンティング会社がグループの会話をチェックし、メッセージを送ったりといったこともある。
これら2つの機能は、Facebookが持っていないビジネスマンに最適なプラットフォームサービスといえるだろう。LinkedInにはプロフェッショナルな人材が集まるゆえんだ。
4.ネット上に非常に細かい履歴書を保持
これぞ履歴書といったものであるが、LinkedInでは所属していた業界や職歴等をはじめ、非常に詳しい情報を入力する。

いつどんな仕事をしてきてたか等、紙で書いている履歴書と何ら変わらない。むしろそれ以上だ。リンクに飛べたり、添付機能があったりするため使い勝手はさらに良い。
LinkedInを介した就職活動や仕事の受注などといったことがアメリカでは普通に行われているのが現状だ。アメリカのホワイトカラーの人々は非常に高い割合でLinkedInのアカウントを保持している。
LinkedInの情報をもとにハンティングのメールが来たり、逆に自身につながっておくべき人がレコメンドされたり、所属業界の情報が手に入りやすくなる。
また、実名での検索になるため、GoogleやYahoo!で検索したりすると、大概その人のLinkedIn or Facebookアカウントが出てくる。
ただ、概して日本では、採用ツールとしてのLinkedInは“中途採用より”というイメージが強い。というのも、コミュニケーションを通じてポテンシャルを図る今の日本の新卒採用手法は、LinkedIn上で行うのが難しいからではないかと考えている。
5.企業検索、エントリーが容易
今までリクナビでのエントリーは仮エントリー的なもので、改めてエントリーシートを投稿したりする必要があった。LinkedInは、もともと細かいプロフィール情報を入力し、それが履歴書として使われるため、1クリックでアプライすることが可能だ。
また、その人のネットワーク人数や日々のコメント等を見ることで素性がさらに見えやすくなり、採用側も判断材料が増えるメリットがある。
以上、筆者がLinkedInの採用面で感じた大きな特徴だ。もちろん様々な面でまだ書きたいことはあるが、それは追々書き留めていきたいと思う。
最後にLinkedInを調べていて一番驚いたのはこれ。

そう。LinkedIn人口の世界第2位は何とインド、そして4位がブラジルなのだ。ついにBRICs(ブリックス)時代の到来か。このグローバルメディアにBRICsが台頭してきたことで私たちはどんな世界を予想しなくてはいけないのか。
そして、ついにはFacebook、LinkedInといったプラットフォームにより世界が一つになっていくのではないだろうか。非常にワクワクしてきた。
さて、LinkedInに関しては今後も調査を続けるとして、次回からは現在国内の新卒採用で、Facebookをはじめソーシャルメディア採用を展開している企業を簡単に紹介していく。
(出典)
LinkedInが年内に日本語版を公開へ、デジタルガレージが国内進出支援(Internet Watch)
デジタルガレージ、ビジネスSNSのLinkedIn社と提携(プレスリリース)
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