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世界を変えたWebサービスの中に日本産がないのはなぜか?なぜアメリカのスタートアップにはできて日本のスタートアップにはできないのか?答えは言語の問題という話では断じてない。考え方と環境の違いというのが一番大きいだろう。
では、どのように違うのか。私自身、アメリカと日本で起業して、また起業した多くのスタートアップを見て来て感じることは、アメリカのスタートアップはチーム作りの上手さが非常に際立つことだ。
何をやるかよりも「誰とやるか、何故やるか」という部分を重要視している。分かりやすく例えるなら、ドラクエのルイーダの酒場に近い。魔法使いなら彼、戦士なら彼女、のようにマーケティングなら彼、インターフェスデザインなら彼女という具合に役割分担がはっきりしたその道のプロを口説き落とし初期のチームに加える。そうしてできたオペレーションチームの大前提は、全員が「何故やるか」という部分に強く共感し、共通のビジョンを持っている。
そのオペレーションチームを強く支持するのは経験豊富なアドバイザリー達である。このオペレーションチームとアドバイザリー達を含めて、The teamという最強のチームが出来上がる。そして資金調達をし、事業を開始。この過程が非常に上手いのがアメリカのスタートアップである。
つまり商品やサービスが素晴らしいからと集まった仲良しの5人ではなく、なぜ成し遂げたいかというビジョンに共感するプロフェッショナルを役割に伴い適材適所に集めた5人ということだ。
極端な話、そのプロフェッショナル5人がテーブルを囲み、「さぁ何をやろうか」と考えてもいいくらいだ。商品やサービスはビジョンを表現する一つの手段に過ぎないと彼らは考えている。
なぜ、このルイーダの酒場方法が成り立つのか。それは個々が自分のスペシャリティーを自覚しているという部分が非常に大きいだろう。自分はアメリカのIT市場のアプローチできる優秀なマーケッターであるとか、サーバーへの負担を軽減させる技術においては右に出る者がいないというくらいのサーバーガイだとか、コンシューマー向けのサービスでは世界一のインターフェースデザイナーだとか、そういう具合である。
前回紹介した「Massive Health」のインターフェースデザイナーである Aza氏もそうだ。自分はBtoBの人間ではなくBtoCのプロだとか、自分はソーシャルメディアの人間ではない等、自分がベストなパフォーマンスができるフィールドまで確実に限定して自覚している。
これには環境の問題もあるのかもしれない。例えばアメリカでは、外国人が就労ビザを得る条件として“その仕事と大学での学部がマッチしていること”とある。経済学部を出てエンジニアになるというのは通用しない。アメリカは学部選考が柔軟であったり、個々のスペシャリティーを伸ばす教育環境があるのは否めない。しかし、結局のところ、社会に出て、経験を積んで始めてプロフェッショナルへとなっていくわけで、大学の学部はスペシャリティーの自覚を手助けする1つのステップでしかない。
個々のスペシャリティーが自他共にはっきりしていれば、ルイーダの酒場方法でチーム作りができる。オペレーションチームに加え経験豊富なアドバイザリーを加え、最強のチームができる。
そして、資金調達や戦略的なパートナーシップを他社と組む等、最も成功率の高い形でビジョンを実現させることができる。 これで始めて世界と戦えるスタートアップができる。何をやるかではない。「何故やるか」と「誰とやるか」が最も大切だとアメリカのスタートアップは考えている。
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